外関の歴代名家応用

外関という経穴が好きなのでよく使います。(298日ぶり4度目)



今回は『要穴八十一』という本に記載される外関の歴代名家応用を抜粋しつつ、愚考していきたいと思います。


黄帝内経

・病実則肘攣、虚則不收。


霊枢の経脈編に
手少陽之別,名曰外関。去腕二寸,外繞臂,注胸中,合心主。病實則肘攣,虛則不收。取之所別也。
の記載がありますね。
外関の位置からしたら、そら腕には効くだろうと。


《甲乙経》皇甫謐、282年

・肘中濯濯、臂内廉不化及頭。
・耳焞焞渾渾無所聞、外関主之。
・外関、会宗主耳焞焞渾渾無所聞。
・外関、内庭、三里、大泉、商丘、主噼、噤


渾渾焞焞は医学百科に解説があり

病狀名。形容聽覺失聰,反應遲鈍之癥。多由濕濁上蒙,肝膽實火或腎氣虛所致。《素問·至真要大論》:“心痛耳鳴,渾渾焞焞。”《靈樞·經脈》:“是動則病耳聾渾渾焞焞。”  

と書かれています。


黄帝内経には渾渾焞焞とあるのが、甲乙経はなぜ焞焞渾渾になっているのか?

今回はこの渾渾焞焞に注目していきたいと思います。(原典はどうなってるんでしょうか?)


《外台秘要》王燾、752年

・主肘中濯濯、臂内廉不化及頭、耳焞焞渾渾聾無所門聞、主噼、噤。


外台秘要も焞焞渾渾派のようです。


《医心方》丹波康頼、984年

・主肘中濯濯、耳焞焞、臂内廉痛、口噼、噤。


もはや焞焞のみ!
当時の日本には渾渾が伝わらなかったのか。


《銅人経》王惟一、1026年

・治肘臂不得屈伸、手五指盡不能握物、耳聾無所聞。


一旦落ち着きましょう。
とにかく外関は聾に効くようです。


玉龍経》王国瑞、1329年

治傷寒自汗盗汗、発熱悪風、百節酸疼、胸滿拘急、中風不遂、腰脚拘攣、手足頑麻冷痛、偏正頭風、眼中冷痛、冷涙、耳聾、眼風。


玉龍経の記載はいいですね、渾渾も焞焞言わないし。
個人的には外関に過分の期待を寄せているのでこれくらい効いてほしいところです。


鍼灸聚英》高武、1529年

主耳聾焞焞渾渾無聞、手五指盡不能握物、実則肘攣瀉之、虚則不収補之。


また焞焞渾渾きちゃった…


鍼灸大成》楊継州、1601年

主耳聾渾渾焞焞無聞、手五指盡不能握物、実則肘攣瀉之、虚則不収補之、又治手足不得屈伸。


とうとうきました!渾渾焞焞!

黄帝内経以来1600年以上ぶり。
前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前世から待ってた。


《鍼方六集》呉崑、1618年

主耳聾焞焞渾渾、目翳、頬痛嗌腫、耳後痛、脅肋肘臂腫痛、無名指不用、五指盡痛不能握物、傷寒無汗、寒熱往来。


鍼灸大成以降は渾渾焞焞派が盛り返すかと思いきや、焞焞渾渾派の強さ健在。


気になるのが鍼方六集は傷寒の無汗なんですね。
玉龍経では傷寒自汗盗汗と書かれていましたが、どちらもいけるのでしょう!

三焦としての働きなのかも知れないし、もしくは他の経絡を介しての反応なのかと考えが広がりますが、とにかく効くのでしょう!!!


なぜなら外関だから!!!!!


《類経図翼》張介賓、1624年

・主治耳聾渾焞無聞、肘臂五指痛不能握、若脅肋痛者瀉之。
・外関主治臓腑熱、肘臂脅肋五指疼、瘰癧結核連胸頸、吐衄不止妄行。


渾焞派も現れてどうしたらいいのか。

類経は臓腑熱が書かれているのが良いですね。張介賓は腑としての三焦を意識していたのではないかしら?と想いを馳せます。


鍼灸学簡編》中医研究院、1959年

主治前臂及肘部不得屈伸、手五指盡痛不能握物、上肢筋骨疼痛、瘰癧、耳聾、聾唖、衄血、牙痛、痄腮、胸脇痛、感冒、発熱、頭痛、咳嗽、暑病、腸癱、霍乱(非真性霍乱)、急驚風、高血圧、小児麻痺後遺症等。配足臨泣治手、足少陽経所経過部位興其所屬絡之臓腑的病証、配大椎、曲池、合谷治感冒発熱、配肩髃、曲池、手三里、合谷治上肢癱痪。


なんでしょう…

近代になると中国の思惑で効果をモリモリに盛っているのでは?と勘繰ってしまいます。

玉龍経は許せるのに鍼灸学簡編は許せない不思議。


鍼灸学》孫國傑主編、1997年

主治頭痛、耳聾耳鳴、肘臂不能伸屈、手指痛不能握、手顫、熱病、瘰癧、腹痛便秘。


鍼灸学簡編はやり過ぎ感ありましたが、こちらは更に時代が近いし現実的で面白さを感じない不思議。



以上が歴代名家応用の抜粋ですが、上記以外にも現代臨床研究として、外関をぎっくり腰、帯状疱疹、偏癱、失眠に使用した臨床研究も記載されているのでオススメです。

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あなたの大敦はどこですか?

先日、赤羽氏法の本をとりあげ大敦の位置が真ん中すぎではないか?というツイートを見まして、今回はこれを取り上げていきたいと思います。



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・大敦の位置について。


大敦は教科書的には足第1指の爪甲根部外側に取ると教わりますが、赤羽氏法では足第1指の爪甲根部中央としています。


中央の大敦がどれくらい一般的なのかわかりませんが、今回は霊枢本輸篇から大敦の位置を考えていきたいと思います。


"肝出于大敦.大敦者.足大指之端.及三毛之中也.爲井木."


こちらが霊枢本輸篇の抜粋ですが"大敦者.足大指之端."とあります。


端?


端だけだと外側なのか?中央なのかハッキリしないので、足大指の内側にあるはずの脾経の隱白を見ます?


"脾出于隱白.隱白者.足大指之端内側也.爲井木."


隱白は内側。
これは現代で習う教科書通りです。



まとめて他の井穴も確認していきます。


"肺出於少商.少商者.手大指端内側也.爲井木."

"心出於中衝.中衝.手中指之端也.爲井木."


心が心包経の経絡になってます。


"腎出于湧泉.湧泉者.足心也.爲井木."



次は陽経。


"膀胱出于至陰.至陰者.足小指之端也.爲井金."

"膽出于竅陰.竅陰者.足小指次指之端也.爲井金."

"胃出于厲兌.厲兌者.足大指内.次指之端也.爲井金."

"三焦者.上合手少陽.出于關衝.關衝者.手小指次指之端也.爲井金."

"手太陽小腸者.上合手太陽.出于少澤.少澤.小指之端也.爲井金."

"大腸.上合手陽明.出于商陽.商陽.大指次指之端也.爲井金."


十一経絡を抜粋してみて分かることは内側の場合は(肺経、脾経)"内側也."とつくこと。


それ以外の爪の外側にとるは各指の端也と書かれています。



ならば大敦も足大指の外側でよいのではないか?と思いますが、大敦だけ"及三毛之中也."という一文が付いているのです。


これが何を指すのか!?


足の親指には皆さん毛が生えていることかと思います。
これが三毛ならば、この中に大敦をとるべきなのか?


もしくはその中でも端の方として赤羽氏法で使う中央の大敦になったのか?



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皆さんもお好きな大敦を取っていただけたらと思います。



ただ改めて端とはどこか?と考えてみて、従来の井穴の位置である爪甲根部は本当に端でしょうか…?


指の一番端といったらここではないでしょうか?



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ここには毛が生えないと誰が決めたのでしょう。

信じれば毛は生えます!必ず!

古代中国人はここにも毛が生えていたかも知れません。



試しに三毛を生やしてみます。



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ほら!


違和感ないですよね!?



寧ろ不思議と馴染みがある…?



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Qちゃん!!!!!!!!!



もしかして…


大敦はQちゃんの百会…肝経は百会に交会する…Qちゃんが唯一変身できるのは靴…



だから…………………







なに…?





・本輸篇に記載される三焦経について。


他の経絡は全て井穴から合穴(胃経は下合穴も)までの説明が書かれているのですが、三焦経だけ例外で以下の文が続きます。


"三焦下腧.在于足大指之前.少陽之後.出于膕中外廉.名曰委陽.是太陽絡也.手少陽經也.
三焦者.足少陽太陰之所將.太陽之別也.上踝五寸.別入貫腨腸.出于委陽.並太陽之正.入絡膀胱.約下焦.實則閉癃.虚則遺溺.遺溺則補之.閉癃則寫之."



この三焦下腧をどう解釈するのか?

そして続く"在于足大指之前."


足大指の前…とは?



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P子…?



とにかくこれが
少陽経の後ろ、ふくらはぎの外を通って、委陽へ。太陽経を絡う、手少陽経也。


下肢を通るけれども『手』の少陽経であると記載されていて、下合穴の説明が続きます。



愚考ですが、先ほどの抜粋の終わりに"入絡膀胱.約下焦.實則閉癃.虚則遺溺.遺溺則補之.閉癃則寫之."


とあるので

臓腑の生理機能を考えた時に、三焦経の経穴を使って泌尿器系の疾患が治らないと困るので下肢にも三焦経を(下合穴を)もってきたのではないかと。



古典は人それぞれの解釈があってこそ古典であるかと思っていますので、これをどう呼んでも、オリジナルの名前を付けても自由だと思います。


ただ他人の解釈を否定するのも否定する輩も嫌なので、各々が自分の考えた最強の経絡、経穴を自由に発表し認め合える平和な世界が訪れることを願っております。

呂景山対穴をカップリングから考察

母校の図書館が利用できないこともあり、最近は手近なもので済ませたポンチブログばかり書いていましたが、久しぶりにアカデミックな内容に挑戦していきます。

勉強不足の方はついてこれないかも知れません、ご容赦ください。



今回は『呂景山対穴』という本からいくつかの組合せ穴を抜粋し、これを分かりやすく少女漫画におけるカップリングに例えて紹介していきたいと思います。



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経穴1つ1つの穴性は覚えるかも知れませんが、臨床に於いて1穴だけで治療を終わらすことは流派にもよりますがかなり少ないかと思います。



そこで複数の経穴を組合せることでその患者さんに合わせた治療ができますが、まずは2穴の組合せから考えてそこから発展していくと分かりやすいかと思います。


更にこれを漫画のキャラクターに例えることで、より経穴に愛情を感じ、臨床に活かせること請け合いです。



経穴をなにかに例えるというのが慣れない方もいらっしゃるかも知れませんが、読みながら理解していってください。



・百会×隱白


【主治】

1.尸厥、或兼見手足厥冷、肌膚粟起、頭面青黒、精神恍惚不寧;或錯言忘語、牙緊口禁、頭旋暈倒、呼吸低微而不連続、脉微弱如絶等症;
2.気厥、是指因気機逆乱而引起的昏厥。臨床上有気虚、気実之別。気虚而厥、症見眩暈昏僕、面色㿠白、汗出肢冷、脉微弱等;気実而厥、症見卒然昏僕、胸膈喘満、脉弦滑等症;
3.中風諸症;
4.脱肛、陰挺、証属気虚下陥、收攝無力者;
5.崩漏諸症。


【操作法】

百会:正座、于頭部正中線与両耳尖連線的交点処取穴。沿皮刺0.2~0.3寸;灸10~30分鐘
隱白:正座垂足或仰臥、于足大趾趾甲内側縁線与基底部線之交点処取穴。直刺0.1~0.3寸、亦可三稜鍼点刺放血、或麦粒灸3~7壮


取穴は特に珍しいことは書いていませんが、百会は灸10~30分とあるので棒灸などを使うのでしょう。

隱白は三稜鍼使えとか、麦粒サイズのお灸をしろとか主治に重めの疾患が多いためか刺激強めですね。



百会は一般の人でも知ってるようなメジャーな経穴ですが、一方隱白はなかなか臨床で使われないかと思います。

この格差のあるカップリングは言うなれば『花より男子


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百会って偉そうな感じと、あとうろちょろする感じが道明寺ぽいなと。

あるいは百会とは書かれていますが、頭頂部として四神総と拡大解釈したらちょうどF4じゃないですか。

前頂が花沢類かなぁ…



そして隱白。名前が白を隱す、覆うという一見モブのようだけれども、美人で(原作に美人設定あったかしら)強い、細いけど芯のある女性…これはつくしでは?

そう考えるとだんだん隱白が好きになってきました。



花より男子は世代によって何で見たか分かれると思うのですが、私は20年以上前の日曜朝アニメです。

松潤?知らん。



どうでしょう?ルールは掴めましたか?

こういう感じで紹介していきます。



・外関×照海


【主治】

1.産後胎盤滞留者;
2.産後子宮収縮不全者。


【操作法】

外関:伸臂俯掌、于腕背横紋中点直上2寸、尺、橈両骨之間、与内関穴相対処取穴。直刺0.5~1寸。
照海:正座、両足蹠心対合、当内踝下縁之凹陥処、上与踝尖相直;或于内踝尖垂線与内踝下縁水平線之交点略向下方之凹陥処取穴。直刺0.3~0.5寸。


外関×照海は標幽賦からの抜粋ですが、そんなことはどうでもいいです。

操作法も特別なことはないと思うので好きに取穴してください。



三焦という元気の別使として働く腑の、その経絡の中でも他経と関わることの多い絡穴である外関はどんな場所でも活躍し、顔が広く皆から頼られる存在。


照海は一般的には要穴でもない経穴ですが、澤田流においては腎経の原穴とされています。
潜在能力は高く、良さを知ったら欠かせない経穴ではないでしょうか。



この組合せは外関が風早くんで、照海が爽子ちゃん。

正に『君に届け』です。


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外関くんは皆に気を使うやつと見せかけて陽維脈の主穴とかしてしまうくらいには我が強いですから。実に風早くん的。


君に届けで一番好きなのは爽子のお父さんです。
お父さん出てくると終始泣いてしまう。



・曲池×三陰交


【主治】

1.婦人経閉、崩漏帯下、癓瘕諸症;
2.風湿諸痺、腰痛、四肢疼痛症;
3.脚気


【操作法】

曲池:①屈肘成直角、当肘弯横紋尽頭処;②屈肘、于尺沢与肱骨外踝連線的中点処取穴。直刺1~1.2寸。
三陰交:正座或仰臥、于脛骨内側面後縁、内踝尖間直上4横指処取穴。従内向外直刺0.5~1寸。


これは『ピーチガール』です。


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曲池×三陰交をピーチガールにした理由として、呂景山対穴には志室×三陰交という組合せも載っているんです。



・志室×三陰交


【主治】

1.遺精、早泄諸症;
2.腰膝酸軟、疼痛等症、証属肝腎不足者。


【操作法】

志室:俯臥、先取命門(与臍相対)、再于命門穴傍開3寸処取穴。直刺0.5~1.2寸
三陰交:正座或仰臥、于脛骨内側面後縁、内踝尖間直上4横指処取穴。従内向外直刺0.5~1.2寸。



お分かりいただけますか?


ご存じの通りピーチガールは主人公のももちゃんが岡安と付き合ってみたり、トージと付き合ってみたり、岡安と付き合ってみたり、トージと付き合ってみたりを繰り返すだけの今思えばなんやねんそれ!という内容。



リアルタイムではトージ…トージやろ…!!!と思って読んでましたが、結局最後まで読んで1巻から読み直したら岡安一択なんですよね。



臨床では漫画のように、まず三陰交に刺してから曲池に刺そうか、志室に刺そうかと患者さんを仰向けにしたりうつ伏せにしたり二転三転させてハラハラさせてあげましょう。



曲池×三陰交の三陰交は直刺0.5~1寸で、志室×三陰交の三陰交は直刺0.5~1.2寸。この0.2寸の差はなんなんでしょうね?

やっぱりトージの方が好きだったんじゃないのかな…?



・合谷×足三里


【主治】

1.脾胃不健、升降功能失調、症見消化不良、食欲不振、脘腹脹満、大便為調、或大便初硬後溏者
2.急、慢性泄瀉、証属升降功能紊乱者
3.感冒、時行感冒、証属胃腸型者。


【操作法】
合谷:①拇、次両指張開、以另一手的拇指関節横紋在虎口上、当拇指尖到達之処是穴;②拇、次両指開拢、在肌肉的最高処取穴;③拇、次両指張開、当虎口与第1,2掌骨結合部連線的中点。直刺0.5~1寸。
足三里:①正座屈膝、于外膝眼直下3寸、距離脛骨前嵴1横指処取穴;②正座屈膝、用掌従膝蓋正中往下摸取脛骨粗隆、在脛骨粗隆外下縁直下1寸処是穴;③正座屈膝、以本人之手按在膝蓋、示指撫于膝下脛骨、当中指尖着処是穴。直刺1~1.5寸。


ここも特別なことはありませんが、主治も操作法も結構頑張って打ってるので良かったら読んでください。
誤字とかあったらご指摘ください。



経穴の組合せとしては大正義。

どんな症状でも使ったら何となく鍼した感はあるだろうし、患者さんが納得すればそのまま治ってしまいそうな配穴です。



ここまででお気付きの方もいるかも知れませんが私ルールでは陽経は男性、陰経は女性という設定なので合谷×足三里はBLです。



私は恥ずかしながらそちらの方面に明るくないので、そちらの方面にとても明るい妻に

「そういう感じの、所属が似ているor同じで、強さも同じくらいのBLカップリングある?」

と尋ねたところ【錆兎×義勇】(鬼滅の刃)と即答でした。



「いや錆兎、柱でもないし死んでるやん。話聞けや腐れ脳」と異を唱えましたが腐れ柱に薄い本でメッタ斬りにされ、妻の世界線では錆兎と煉獄さんは生きているという説教を2時間喰らいました。

一推しは【煉炭】だそうです。



因みに他にはありません…?と尋ねると【出勝】(僕のヒーローアカデミア)【ナルサス(リバok)】(NARUTO)と呪文を唱えだし、これ以上は聞くに耐えないので有識者の方で異論がありましたら妻までドシドシどうぞ。



以上です、最後まで読んでいただきありがとうございます。



もしここまで読んでも要領を掴めないという方は、ちょっと勉強が足りないかも知れません。

鍼灸師は一生涯勉強と言われています。



仕事が、生活が忙しいからといって勉強を疎かにせず、日頃からしっかり漫画を読む習慣を身につけましょう。


態々こんなことを書くのは恥ずかしいですが、勉強すればするだけ患者さんの笑顔が見れると思えば私はいくらでも漫画を読めます!

円皮鍼の新しい使い方

これは前回のブログにセルフケア関連として書こうかとしていたものですが、色んなことを考慮した結果まるっと無くしてしまいました。



しかしこの発見が日の目を見ないのはどうかと、やはり皆さんにお伝えすべき内容であると考え改めて発表させていただきます。



・セルフケアとして素人が自分に鍼を刺しても良いのではないかという話。



お灸はセルフケアとして推奨されているのに、鍼でそういったことはできないですよね(ルール的にも)


誰だったかは忘れましたが、有名な鍼灸師も「鍼は効きすぎていけない、そのために勉強をしない鍼灸師が増えてしまった」みたいなことを言っておりまして、とにかく鍼が刺さればなんとなくは効くよね、と思っております。



鍼が上手な方は知らないかも知れませんが、例えば肩凝りの場合どんなに下手に刺したとしても鍼を刺したら多少肩凝りはましになるんですよ。


そんでなんやかんやのどうのこうので上手いこと理屈をつけて…


安全に配慮した上で一般の方が自分に鍼するのは良いのではないか?


という話を書こうと思案している中で…



(そういえばパイオネックスとかユニコバン、スポールバンて一般の人も買ってるんじゃない?


購入時に医療従事者か否かの確認はされても免許の確認がある訳でもないし、そこでレビューを見たら一般の人が鍼をどう扱っているか、需要があるのか分かるのではないかと…


そこでもし評判が良ければ、既に使われているんだから一般向けの鍼を商品化しても良くないですか?という流れで書こう!


決まった!それでいこう!)



と思いついたのですが…


ちょっと予想外の方向に進んでしまい手に負えなくなってしまいました。



こちらはスポールバンのレビューです…



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マジでオススメ!



開発…?感度……?パートナー………?



ん…?



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乳首!!!!!



この人たち乳首に鍼してる!!!!!





マジか…



どうやら他のレビューも読むにスポールバンを乳首に貼ることで感度が上がるとされているようです…



うーーーーーーん…



私はどんな理論でも、どんな手法を使っても本人が納得していて且つ他人に迷惑を与えないのであれば良いとしているので、わざわざ他人のやり方に口を出すのは粋ではない!と考えております(例外もあるけど)



なのでこの方法もやってる人が感度が上がると、それで満足ならそれで良いんです。



良い…?


うーーーーーーん………


それ別に鍼じゃなくて良くない?例えば爪楊枝とかでも



いや、あなた方が良いなら良いけどさ…
でも乳首に鍼すると感度が上がるっていうエビデンスあるの?どういう根拠でやってるの?



…とりあえず鍼が一般向けの商品になったら良いという考えは一旦保留します。



ところでセイリンさん、ユニコさん。


パイオネックスとユニコバンは乳首に貼られているレビューは一件もありませんでしたよ!
乳首開発のシェアをスポールバンに独占されてますよ!

こんなことでいいんですか!!!業界をあげて乳首を開発していきましょうよ!!!



まぁ一部の特殊なレビューを取り上げてしまいましたが、肩凝り、腰痛、生理痛に効果を実感しているレビューもありました、良かった。



最後に鍼灸師から、鍼を使って乳首を開発されている方々へ。



あなた方が貼っている場所は乳中というツボになります。


一部の古典には乳中は鍼を刺してはいけないツボとされていますが、あなた方の探究心のお陰で乳中に鍼を刺しても大丈夫かも知れないということが分かりました。


自分では試す気もありませんでした、本当にありがとうございます。



因みに甲乙経という古典には「禁じて刺灸すべからず、刺灸すれば不幸にして蝕瘡を生じる」と書かれています。


瘡を蝕むそうですので、くれぐれも消毒をしっかりしていただき良い乳首開発ライフを楽しんでください。

母の日と臂臑の灸

母の日になにか準備しようかと、先日久しぶりに連絡をとったところ加齢黄斑変性症を患ったとのことで、親がいよいよ老人的な病に足を突っ込みだしたなと震えております。


既に緑内障もあるので合わせ技で視力もだいぶ落ちることでしょう。


妻からはたまには実家に帰ったらどうか?と提案がありましたが、吉方位でなければ全く帰省する気はない親不孝者なので少しでもネタ恩返しとなるよう艾を送ります。



四診ができないのでシンプルに眼に関係する経穴にお灸をしてもらおうかと思いますが、眼疾患でお灸といえばやはり臂臑ではないかと。



臂臑を眼疾患に使うようになったのは深谷先生の発案だと師匠から教わり、十数年疑いもせずに使ってきましたが今回はネタ師匠への恩返しとして調べてみたいと思います。



深谷灸法(入江靖二著)には


主治:謡人結節(咽喉部のポリープ)嗄声扁桃炎など、眼疾患に卓効、胃病無酸症に特効、上腕神経痛や麻痺、半身不随、高血圧症。
深谷先生はこの穴について沢山の治験例や研究発表がある。自ら深谷謡人結節と呼んで賞用され、卓越した治効穴として多くの主治症を開拓された。


とあります。



ここに『多くの主治症を開拓された』とありますが、弟子の言うことですから眉毛に唾を塗りたくりながら我が家にある範囲で調べていきます。



深谷先生は1900年生まれ1974年死亡とgoogle先生が教えてくれたので、1900年以前の書籍に眼を主治するような記載があるか探します。

 

銅人経:臂臑。治寒熱頸項痀急。瘰癧肩背不得擧。可灸3壯。針入3分。


百症賦:兼五里能愈瘰癧。


鍼灸大成(浅野周訳):寒熱、腕が痛くて上げられない、リンパ結核、頸項部の硬直などを主治する。


なし。

もう既に手詰まり感…


 
あとは穴性から調べてみようかと、家にあった出どころの分からない資料です。
 

1.鍼灸学腧穴学(上海中医学院)-人民衛生出版社1962年8月
2.鍼灸精焠(李文憲編著)ー旋風出版社1974年4月
3.鍼灸学(上海中医学院編)ー人民衛生出版社1974年7月
4.実用鍼灸学(天津中医学院)ー天津科学技術出版社1981年1月
5.簡明鍼灸学(楊明遠編著)ー黒竜江人民出版社1981年6月
6.常用腧穴臨床発揮(李世珍著)ー人民衛生出版社1985年11月
7.鍼灸腧穴手冊(楊子雨編著)ー山西科学教育出版社1986年3月
8.臨床鍼灸学(徐苯人、葛書翰編著)ー遼寧科学技術出版社1986年9月
9.鍼灸学(長春中医学院主編)ー湖南科学技術出版社1987年8月
10.鍼灸集錦(鄭魁山編著)ー甘粛科学技術出版社1988年12月
11.鍼灸学(楊甲山主編)ー人民衛生出版社1989年1月
12.中国灸療法(章逢潤、耿俊英主編)ー人民衛生出版社1989年2月
13.鍼灸腧穴学(楊甲山須編)ー上海科学技術出版社1989年10月
14.経絡腧穴学(李海燕、鄭天徳編著)ー華夏出版社1993年4月
15.鍼灸経穴学(楊維傑著)ー楽群文化事業有限公司出版1993年10月
16.百症鍼灸用穴指南(同建庭等編著)ー中医陳古籍出版社1993年12月


上記の本に書かれた穴性がまとめられているもので、そこには


【臂臑】
3.通絡、明目
8.通絡明目、行気散瘀
9.疏筋活絡、清熱明目
11.理気消痰、清熱明目
12.祛風通絡、明目止痛
13.通経、活絡、明目、散結
14.祛風通絡、清熱明目
16.清熱明目、祛風通絡


因みに他の大腸経の経穴も調べると、


澤田流では麦粒腫の特効穴とされている【二間】には明目の記載なし。(清熱はあるので効くだろうけど)


みんな大好き面目は合谷に収むの【合谷】
11.清熱解表、明目聡耳


【偏歴】
11.明目聡耳


【手三里】
11.清熱明目、理気通腑
13.調腸腑、通経絡、清頭明目



大腸経の並びで見るとやはり【臂臑】は明目が多いようです。

そして楊甲山主編の鍼灸学だけ他の大腸経の経穴でも明目の記載があるのも気になりますが。


ただここにあるのは全て深谷先生の没後のものだけなので参考にはならず…
寧ろ深谷先生逆輸入説もでてきました。



いよいよ苦し紛れで、澤田流の鍼灸治療基礎学を見ると


上腕神経痛または麻痺を治し、三角筋リウマチ及び上肢の挙がらざるを治す。


と、眼に関係する記載はないですが、


鍼灸聚英に「手の陽明の絡。手足太陽陽維の会」と書かれていました!


手足太陽経との交会であることが眼に関係するかも知れません!


ここから深谷先生は眼疾患に応用を考えたのかしら?



鍼灸聚英(1529年)はもう図書館開かないと調べられないかなーとGoogle先生に相談したら出てきました!(北京堂より)


臂臑:肘上七寸、肉端、肩下一寸、両筋、両骨、罅陥宛宛中。平手取之。手陽明絡。手足太陽、陽維之会。銅人、灸三壮、鍼三分。明堂、宜灸、不宜鍼、日灸七壮、至二百壮。若鍼、不得過三~五分。
主、臂細無力、臂痛、不得向頭、瘰癧、頚項拘急。


残念ながら鍼灸聚英にも眼に関わる記述はなし。



うーん…本格的に行き詰まってしまったので終了!



そもそも場所的に自分でお灸しにくいし!

母親にさせるのに臂臑なんか使わんわ!



もう足三里と三陰交でいいでしょ。



足三里は十二穴歌に『年過三旬後、鍼灸眼便寛』と書かれているし、
加齢によるものなら三陰交で脾肝腎なんかいい感じになるだろうし。


足三里と三陰交は私自身が昨年末からお灸を続けていまして、過去最高くらいに調子が良くてお酒をぶがぶ飲んでも全然大丈夫なんです!



花粉症もほとんどでないので調子にのってツイートもしましたが、その後ヒノキのシーズンになっても現在大量に飛んでいるらしい黄砂でも薬は飲まずに生活できています。



今までも不調だなと思った際、不定期に鍼灸はしていましたが証をあれこれ考えるより脳死状態で毎日お灸している方が調子良いです。



これは自分が今までやってきたことを考えると認めたくない部分もありますが、
一応この上でキチンと証を立てて鍼灸をすれば更に良いかも知れません。と付け加えておきます。


あと私の体質が肝強め、脾弱め、油マシマシ好き。なのも脾胃を重視したお灸が効果ある要因かも知れませんが、それにしても元気。



この調子でいくと原志免太郎先生は疎か、万平さんを超える250歳まで生きてしまうのではないか?と心配になるレベルです。



多少熱かったり、火傷したとしてもセルフケアとしてこんなにコスパが良いものはないと思いますが、お灸やりませんか?


母へ。

簡易灸と科学と自粛について

新型コロナウィルスが未だ落ち着きません今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?


皆様の生活にも影響があるかと思います。
テレワークなど今までにない働き方、生き方を模索していかなくてはならないですね。


私は母校の図書館が閉鎖になってしまいブログのネタ探しができなくなってしまいました。


今回は最近Twitterであった事柄への感謝と愚痴を書いていきたいと思います。

よろしければ前半だけでも読んでいただいて助言をいただけるとありがたいです。



・簡易灸の話。


院を構えている方々は気を使うところが多く営業も大変ですよね。

そんな中でオンラインで問診したり、セルフケアの方法を患者さんにお伝えしたり未来キタ!という感じですね。


家でできるケアとして一般の方にも使いやすい簡易灸を勧めるのは王道かと思います。


ただその中で『免疫力アップ!』という効果を謳っていると、どうしても引っかかるものがあるんです。


火傷してないな…と


そもそも火傷をしたくないから簡易灸を使っているんでしょうが、お恥ずかしいですが不勉強な為に灸の効果と言ったら原志免太郎先生の研究しか知らなず、火傷しない場合の身体の変化を知らないんですよね。


モクサアフリカを引き合いに出されたりする方もありますが、写真を見る限り透熱灸やってね?と思うのです。(違ったらすいません。)


原志免太郎先生の研究からはお灸で火傷を起こすことで、免疫力が上がることが分かっているので『透熱灸で免疫力アップ』これは間違いありません。



簡易灸によって身体はどう変化するのか?
Twitterの賢者達に教えて貰おうと思ったらまぁ賢者達の優しいこと(質問に至るまでも賢者の導きがありました)


https://t.co/zbBLIKHUOa?amp=1

https://t.co/188AmOS3uD?amp=1

https://t.co/nf5mBfwqEN?amp=1




(前後の流れもあるのでTwitterから直接引用をしたいのですが、賢者からの許可をもらってないので引用して良い方はよろしければご連絡ください)


どうやらTwitterは愛で溢れてるようです。


皆さんの論文でなんとなく分かったようなことを超ざっとまとめると


原志免太郎先生の研究で電子点灸器というものを使った研究があったが、これは皮膚表面温度を灸と同様の65℃にするものなのでもちろん火傷。
結果は灸と同様の反応が現れる。

簡易灸、隔物灸の研究では血流量のアップが認められる。

あってますか?


自信はないので、ご自身で読まれることをお勧めします。
そして噛み砕いて私に教えてくれることを強くお勧めします。



こんな話を書きましたが個人的には臨床においては、術者側にきちんとした理屈があり(その人しか納得できないようなものでも)それを他人に説明しても恥ずかしくないくらい自信があるならば、科学的な理屈は全く無くても良いと思っています。


ただよく分からんけど患者さんが言うところに刺激をする、は素人と変わらないのでちょっと…思いますが、東洋医学的でも西洋医学的でもなんでもいいので自分の考えを持ってやれば十分ではないかと思っています。


もし良ければそれを私に教えて欲しいし、それに対して質問もさせて頂きたい…


そこに否定するような意図は全くないので、是非とも色んな人の色んな理論がお互いを尊重しながらやりとりできるような環境になればと願うばかりです。



というようなことを考えていたら、


エビデンス野郎AとBの話。


東洋医学は学ぶ時間すら無駄だ!みたいなツイートをする輩がおりまして、ブチ切れですわ。


このツイートはエビデンス野郎Aのものですが、それに対して鍼灸師の先生方は鍼灸を理解して貰おうと思想、哲学などを含めて優しい説明をなさっていましたが、こいつが全く理解しない。


というか理解する気がないんですね。
そもそも科学で証明できるものが正しい、それ以外は医療として認めないようなスタンスで対話が不可能でした。


その後エビデンス野郎Bが現れて鍼を身体に刺した際の生理学的な話をすると、それに対してエビデンス野郎Aは「流石です!そういう話がしたかったのに鍼灸師は思想がどうとか訳わからんこと言って…」みたいなやりとりがなされて…



なんやそれ!!!!!



じゃあ生理学的な反応だけでええなら身体のどこに鍼を刺したって同じだから、お前らに鍼刺すチャンスがあったら鼻の頭にプラスチック鍼柄の1番鍼(鍼柄が赤いやつ)刺しまくって遠目から見たらピエロみたいにしたるからな!!!!!


あとチンチンに色んな太さの鍼を乱れ打ちして股間で花火してる人みたいにしたるからな!!!!!


更にエビデンス野郎Bが

『歴史的にみて結果の効果判定を適切に行わず今まで効果がないであろうものを伝統的にやってきてるので、やっぱり結果が出れば良いは正当性に欠ける』


今まで効果がないであろうものを伝統的にやってきてる…?


坊主憎けりゃ袈裟まで憎いしAが憎けりゃBも憎い!
これも腹が立ってしょうがないので、彼の有料noteを購入させていただきました!この野郎が!



疼痛科学に基づいた慢性疼痛に対するアプローチだそうで、

『2020/02/07時点でこの運動療法が非特異性背部痛の手段として紹介されている例はまったくないか、あっても稀少です。私は2019年にでた腰痛へのアプローチの医学書籍はほとんど目を通したと思いますが、このアプローチが記載されていたのは見たことがありません』


なるほど。


さぞかし科学的な最新のアプローチを教えてくださるのだと期待して読みましたが、私の感想は「既に知ってる、やってることを科学的に説明した」だけです。


古典を読んで患者さんにぶつかって、また古典を読む。を繰り返していれば、自然に身につくのではないかと。
私は臨床において彼のnoteに記載されていた手法は取り入れています。


内容をそのまま書くのは流石に悪いので、気血で解釈すれば、今まで彼らは慢性疼痛に対して血の問題(肉体的な問題)でしか痛みを把握していなかったが、ようやく気の問題を理解し始めた。というところでしょうか。


導入部分の『従来の運動療法はBiomedical model(生物医学モデル)と呼ばれる、具体的には構造や機能ばかりに着目したものが主流でした。』


と書かれていることから、彼らの行っていた数年前までの理学療法と比べれば最新のものということでしょう。


彼らにとっては科学的な視点から語ることが医療として正義なんでしょうが、科学的に説明されるまで自分をアップデートできない為に今まで構造や機能ばかりに注目した理学療法ばかり行っていたのでしょう。


科学で説明できないものがなぜ存在しているのか?を考えられない想像力の無さが故に科学に頼らざるを得ないのでしょうか。


………(悪口)

………(悪口)


あといくらか悪口を書いたんですが、しばらく書いたところでツイート見返したらBはそんなに鍼灸のこと批判してなかったんですよね…なんなら得気した場合の論文みたいのもあげてくれて…


ごめん…ちょっと言い過ぎたかも知れない、私のブログなんて読まないと思うけど『姿勢と腰痛2020版』も買ったから…ごめん…



結論としては、煽り抜きでどんな勉強をしていようが人を治そうとする限り結局は同じような手法になると思っていますし、どんな宗教でも祈る所作は似たようなものなので、相手の神様が自分の信じるものと違っても否定しない方がいいですよ。

分かったら股間隠せや、花火ピエロ野郎!



ついでにもう一点、


・新型コロナウィルスに対しての営業自粛に関して


鍼灸院、整骨院は判断が難しいですよね。
休業対象施設にはされていませんが、自主的に院を閉めている方もあるようです。

開けるも閉めるもそれぞれ考えあってのことでしょう。


そんな中で、

『個人的な意見なので同意も否定もいりません』と前置きした上で、『今営業している鍼灸院、接骨院は罪だ!金儲け主義だ!』って言い切る輩がおって、これも激おこなんですよ。


自分と同様に悩んで、その上で営業するという選択をした人間もいるかも知れないという想像ができないんでしょうね、悲しい。


さっきと同じ話ですが自分の物差しで他者を否定するなと。
その先はもう戦争しかないぞ?


自分がやりたければやればいいし、休みたければ休めばいいし。

それを下手に正当化しようとするほど誰かを否定することになることくらい分かれや。
これを無自覚にやってる輩が一番タチが悪い。


お前もピエロにしてやろうか!!!!!



と、愚痴多めのブログでしたがここまで読んで下さった方はありがとうございます。


後半熱くなってしまい頭に血が上ってしまったので素髎から瀉血してきます。


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なんやかんやと書ましたが、エビデンス云々に関しては私自身に明確な答えはないんですよね。

最後に原志免太郎先生の『新しい灸学の臨床経験』にありがたいお言葉がありますので、そのまま引用です。


「経絡の問題は現代科学では未解決の分野である。その経穴を現代の医師に強制するのは無理であり、著者もこれに頼ってはいない。

しかしながら、全面的に否定しているのではなく、学問的解明の域に達していない段階において、これを無条件に試用することは科学的でないという立場であり、1日も早く解明されることを望んでいるものである。

さて、著者は灸を非特異性加熱自家蛋白体療法の立場から、全ての疾患に応用することを決心して、薬理実験に用いた『腰部八点の灸』と、古来伝承されている『三里の灸』とを、医学的根拠から最も安全な箇所と判断して、診療した疾患すべてに応用してみた、その結果すぐれた効果を収め、驚きを新たにした」

【12穴だけで】馬丹陽天星十二穴治雑病歌【何でも治す!】

以前Twitter上でのやりとりの中で馬丹陽天星十二穴の話があり、その場ではメインの話題ではなかったので我慢したのですが歌賦大好きマンの私としては天星十二穴の話がしたい!!!



という気持をぐっと堪えていましたが、どうしても我慢できないのでブログに吐き出しておきます。



今回は鍼灸の歌賦の中から上記の馬丹陽天星十二穴治雑病歌をご紹介しつつ、よろしければ私のポンチ話にお付き合いいただければと思っております。



そもそも歌賦(かふ)とはなにか?


という方もいらっしゃるかも知れないので簡単に説明すると鍼灸覚え歌です。



肚腹三里留
肚腹は三里に留め

腰背委中求
腰背は委中に求め

頭項尋列缺
頭項は列缺に尋ね

面目合谷収
面目は合谷に収む



これは知らない鍼灸師を探す方が難しいくらい有名ですが、これこそが歌賦。


朱権作の四総穴歌です。



ほとんどの方が学生時代に試したことがあるかと思います。

そしてこんなに効くのか!ってくらい効く。



三里はお腹の症状に…合谷は面目だけでなくなんでも効くし…


そしてそんな経穴の中で列缺…

私は列缺がこの中に入ってることにどうしても違和感を感じてしまいます。



足三里!!!合谷!!!委中!!!


どれも圧痛、反応と分かりやす過ぎるほど分かりやすい経穴のなかで列缺?


しかも効くのは頭項…喉痛ではなく。



この場合の列缺はどういう取穴をするか、頭項というけれど前頭部、側頭部、頭頂部とどのあたりなのかと…

頭項ならば後谿など他にもありそうですが、なぜここに列缺なのか…?





ところで、M-1グランプリ2018にて審査員のナイツ塙が霜降り明星の2人を『強い2人』と評したんですが、経穴にも『強い経穴』があるとすれば、足三里、合谷、委中は間違いなく『強い経穴』にではないかと思います。

芸人で言えば明石家さんまクラスの『強さ』ではないでしょうか?



列缺が他の四総穴の経穴と同様『強い経穴』なのか、それともスポット的に効果を出すものなのか…
まだ列缺のポテンシャルを引き出せていない自分がくやしいです!(ザブングル加藤




本題

馬丹陽天星十二穴治雑病歌の紹介していきたいと思います。



まず経穴だけを書き出すと、


三里内庭穴、曲池合谷接
委中配承山、太衝崑崙穴
環跳与陽陵、通里並列缺


以上12穴。



360の経穴を上手く組合せ使いこなしても、この12穴には及ばない。というようなことも書かれています。



以下、私の適当な訳なので斜め読みして下さい。
微妙なところは?をつけているので、ご指導いただけると幸いです。



・三里膝眼下、三寸両筋間。
能通心腹脹、善治胃中寒、腸鳴併泄瀉、腿腫膝胻痠、傷寒羸痩損、気蠱及諸般、年過三旬後、鍼灸眼便寛。
取穴当審的、八分三壯安。


腹が張るのを通じさせ、胃に寒邪が入ったものを治す。
傷寒で痩せ衰えた、肝鬱気滞による腹の張りに効く。
30歳を越えたらマメに鍼灸をすると眼がハッキリする。
鍼は八分、灸は三壯。


私も昨年末から毎日足三里にお灸をしているんですが爪甲剥離が良くなったことと、普段この時期はアレルギーで顔がびしょびしょなんですが、今のところ花粉症の薬を飲まなくてもなんとかなっているので、やっぱり足三里すごい。強い。




・内庭次趾外、本属足陽明。
能治四肢厥、喜静悪聞声、癮疹咽喉痛、数欠及牙疼、瘧疾不思食、鍼着便惺惺。


四肢の冷え、喜びを静め人の声物音を怖がる、蕁麻疹?喉の痛み、頻繁なあくび、歯の痛み、マラリア、食べられないものをハッキリと治す。



・曲池拱手取、屈肘骨辺求。
善治肘中痛、偏風手不收、挽弓聞不得、筋緩莫梳頭、喉閉即欲死、発熱更無休、遍身風癬癩、鍼着則時瘳。


肘の痛み、片麻痺、弓を引けず頭をとかすことができない、喉の腫れ痛み、発熱し解熱しない、風による皮膚病?が鍼したらすぐ治る



・合谷在虎口、両指岐骨間。
頭疼并面腫、瘧病熱還寒、歯齲鼻衄血、口噤不開言。
鍼入五分深、令人即便安。


頭痛と顔の腫れ、マラリア、虫歯、鼻血、口を開けられないもの治す。鍼は五分で安らかに刺す?安らかになる?



・委中曲月秋裏、横紋脈中央。
腰痛不能挙、沈沈引脊梁、痠疼筋莫展、風痺復無常、膝頭難伸屈、鍼入即安康。


腰を動かせない、背中が重たい?重怠く動きにくい、遊走性の痛み?膝の屈伸困難が鍼をしたらすぐ治る。



・承山名魚腹、腨腸分肉間。
善治腰疼痛、痔疾大便難、脚気併膝腫、輾転戦疼酸、霍乱及転筋、穴中刺便安。


腰痛、痔、便秘、脚気で膝が腫れ、痛みでじっとしていられず戦慄する、嘔吐下痢、腓返りに鍼刺して安静にさせる?安らかになる?


・太衝足大指、節後二寸中。
動脈知生死、能医驚癇風、咽喉併心脹、両足不能行、七疝偏墜腫、眼目似云朦、亦能療腰痛、鍼下有神功。


太衝の脈で病勢を知る、???、喉の腫れ胸の腫れ、鼠径ヘルニア?、眼のかすみ、腰痛に神のような効果。



・崑崙足外踝、跟骨上辺尋。
転筋腰尻痛、暴喘満衝心、挙歩行不得、一動即呻吟、若欲求安楽、須于此穴鍼。


腓返り腰臀部痛、???(奔豚的なもの?)、歩行できず、動くと呻く、もし楽になりたいのならここに鍼をする。



・環跳在髀枢、側臥屈足取。
折腰莫能顧、冷風併湿痺、腿胯連腨痛、転側重欷歔、若人鍼灸後、頃刻病消除。


曲げられない腰痛、風寒湿痺、股関節から下腿まで痛む、動くと痛む、もし鍼をすればすぐに病は消える。



・陽陵居膝下、外臁一寸中。
膝腫併麻木、冷痺及偏風、挙足不能起、坐臥似衰翁、鍼入六分止、神功妙不同。


膝が腫れ麻痺、寒痺および片麻痺、足を挙げられない、老人のような動き?鍼を六分入れると他にはない効果が!!!



・通里腕側後、去腕一寸中。
欲言声不出、懊悩及怔忡、実則四肢重、頭腮面頬紅、虚則不能食、暴瘖面無容、豪鍼微微刺、方信有神功。


喋りたいが声がでない、悩みと動悸、実では四肢の重さ、面部の赤み、虚では食べられず、声出せず顔色悪い?豪鍼を微微っと刺せば神懸かり的にに効く。



・列缺腕側上、次指手交叉。
善療偏頭患、遍身風痺麻、痰涎頻上壅、口噤不開牙、若能明補瀉、応手即如拿。


偏頭痛、片麻痺痰湿?が上を塞ぐ、口が開かない、もし補瀉を明確に行えば、手に応じて治る



最後に来ました、列缺!

そしてここで書かれている効果を見ると、先程の『頭項尋列缺』の頭項とはどこかという問題の答えがでるかも知れません。



ここから愚考ですが、

天星十二穴の中には四総穴歌の経穴が全て含まれておりました。


もう少し掘り下げると天星十二穴歌は1329年、元の時代に書かれた「鍼灸玉龍経」に記載されています。
そして四総穴歌は明の時代(たぶん1406年)に書かれた「乾坤生意」に記載されている歌賦。



書かれた年代から考えると四総穴歌は天星十二穴治雑病歌を参考にして書かれたのではないか?と…

そうすると列缺の頭項は側頭部のことなのではないでしょうか…!?



他にも腰背部に関して、委中以外にも効果のある経穴が多いことから腰背痛は崑崙、環跳など広く取った方が有効ではないか…

足三里は実証的な腹部の疾患に効果的とされていたのではないか…


と、四総穴歌をまた違った角度から考えられるかも知れません。



私が勝手な考察なので正しくないかも知れないし、治療に活きるかどうかも分からないような自己満足の極みですが、古典を掘り進んでいくうちにアレとコレがもしかしたら繋がるのではないか!?というこの感じがもうね…キマるとトびます。



皆さんも是非ともお気に入りの歌賦を探して、合法的にトびましょう。






おまけ


中国歌賦はハードルが高いという方は、澤田流鍼灸いろは歌というのもありまして、



『い』いのちより長きを希う人々よ、脛の三里を常にたしなめ

『ろ』肋膜炎と胸の動悸を治すには、手の郄門が何より効く

『は』腹痛が食い合わせより起こりなば、直ちにすえよ裏の内庭



みたいに分かりやすさしかないので、未見の方は是非ともググって使ってみてください。



『ま』まてしばし子無き婦人も嘆くなよ、脾兪・腎兪・次髎と気海・外陵

『さ』さいさいにお腹壊して痩せる子に、身柱・少衝・命門さらに天枢


後半になるほど無理感が出てくるのも澤田先生らしさがあってまた良いです。