100日後に完成する玉龍歌現代語訳

令和3年1月16日
天赦日+一粒万倍日の何か始めなくてはならないというプレッシャーに勝てませんでした。


今年の目標として古典をちゃんと読む。というものがあるので、とりあえず玉龍歌を自分なりに読んで現代語訳を付けていきたいと思います。


1月16日の時点では簡体字をコピペしたままの白文ですが、100日後には完成しているはずです。
天赦日+一粒万倍日に始めたことが成就しないはずはないので。



扁鹊授我玉龍歌,玉龍一試絶沈疴,玉龍之歌真罕得,流伝千載無差訛。

マイメンがウチにくれた玉龍歌、一回やったら絶対いいの分かるから玉龍歌しか勝たん。


我今歌此玉龍訣,玉龍一百二十穴,医者行鍼殊妙绝,但恐時人自差別。

とりま120穴歌うからやってみたら?ワンチャンあるっしょ、でも人と場所は選んで。



補瀉分明指下施,金鍼一刺顕明医,伛者立伸偻者起,従此名揚天下知。

補瀉ちゃんとしたら一刺しでゴッドハンドなれるし。おばあちゃんの腰も伸びるし、マジ卍。



中風不語最難医,髪際頂門穴要知,更向百会明補泄,即時蘇醒免災危。

中風不語マジ無理、ぴえん超えてぱおん超えて不語ん、顖会と百会に補瀉したら即やりらふぃー。


(人事不省に対しての督脈としてなのかなと考えますが、中風で頭の経穴を使うのことを1329年からしてるのってすごいのでは?
と思ったんですが、史記にて外三陽五会として尸厥に対し使われているらしいので、遥か昔から意識不明は頭に鍼刺しとけってなってたんでしょうか)


鼻流清涕名鼻渊,先瀉後補疾可痊。若是頭風并眼痛,上星穴内刺无偏。

サラサラ鼻水は鼻淵、ぴえん。まず瀉法をして、その後に補法。
頭痛と眼痛が一緒にきたら上星に刺す、これマヂ。


(わかる)



頭風呕吐眼昏花,穴取神庭始不差。孩子慢驚何可治,印堂刺入艾还加。

頭痛でゲロって目がチカチカしてる奴とか殆どが薬でラリってるけど、そうじゃないなら神庭。
小児のひきつけは印堂。


(ここも醒脳したい感じの配穴なんでしょうか。ところで若者言葉もうマヂムリ。マヂカルムリリー)



頭項強痛難回顧,牙疼併作一般看,先向承漿明補瀉,後鍼風府即時安。

頭項が痛み、頚部回旋できず、歯痛があるものは承漿に補瀉した後、風府に鍼して即効く。


(この歯痛は上下どっちの歯なのか?)



偏正头风痛难医,丝竹金针亦可施,沿皮向后透率谷,一针两穴世间稀。

まぢヤバい頭痛は糸竹空から卒谷に向かって透刺。
1本で2穴刺すとかレアじゃね?


(偏正頭痛って偏頭痛でいいんでしょうか?透刺してドヤる王國瑞?かわいいですね)


偏正头风有两般,有无痰饮细推观,若然痰饮风池刺,倘无痰饮合谷安。

頭痛は痰の有無を要チェック。痰ありは風池、無しは合谷でおけまる。


(痰の有無で風池か合谷か変わるのが分からない。風池で痰どうにかできる?)
(この前の3つ頭痛に対しての配穴が書かれていますが、どれもタイプが違いますよね。
承漿風府を正中の痛み、糸竹空卒谷を側頭部痛、風池は頚部から、合谷は遠隔でみたいな分け方もできるなと、歌賦の内容無視してますけど)


口眼㖞斜最可嗟,地仓秒穴连颊车,㖞左泻右依师正,喎右泻左莫令斜。

顔面麻痺ぴえん。地倉から頬車へ透刺。
麻痺が左なら右を瀉す、右なら左を。


(巨刺するのお洒落ですね)



不闻香臭从何治?迎香两穴可堪攻,先补后泻分明效,一针未除气先通。

嗅覚異常は迎香。先補後瀉すると明らかにアガる↑


(医学綱目には同様の症状に対し瀉多補少と書かれており、多分瀉多めの方が良いのではないかと。新型コロナウィルスの嗅覚異常にも効いたらいいですね)


耳聋气闭痛难言,须刺翳风穴始痊,亦治颈上生瘰疬,下针泻动即安然。

耳聞こえてないの?超ウケるw翳風使いなよ。あと頚部リンパ結核の時は瀉ね。



耳聋之症不闻声,痛痒蝉鸣不快情,红肿生疮须用泻,宜从听会用针行。

あんたも耳聞こえないの?耳鳴りも?いや赤いしメッチャ掻いてんじゃん。聴会瀉そ。



偶尔失音言语难,哑门一穴两筋间,若知浅针莫深刺,言语音和照旧安。




眉间疼痛苦难当,攒竹沿皮刺无妨,若是眼昏皆可治,更针头维即安康。



两眼红肿痛难熬,怕日羞明心自焦,只刺睛明鱼尾穴,太阳出血自然消。


眼痛忽然血贯睛,羞明更涩最难睁,须得太阳针出血,不用金刀疾自平。



心血炎上两眼红,迎香穴内刺为通,若将毒血搐出后,目内清凉始见功。





强痛脊背泻人中,挫闪腰酸亦可攻,更有委中之一穴,腰间诸疾任君攻。



肾若腰痛不可当,施为行止甚非常,若知肾俞二穴处,愈见医科神圣功。



膝腿无力身力难,原因风湿致伤残,倘知二市穴能灸,步履悠悠渐自安。



髋骨能医两腿痛,膝风红肿不能行,必针膝眼膝关穴,功效须臾病不生。


寒湿脚气不可熬,先针三里及阴交,再将绝骨穴兼刺,肿痛登时立见消。



肿红腿足草鞋风,须把昆仑二穴攻,申脉太溪如再刺,神医妙诀起疲窿。



脚背痛起丘墟处,斜针出血即时轻,解溪再与商丘识,补泻行针要辨明。


行步艰难疾转加,太冲二穴效堪夸,更针三里中封穴,去病如同用手抓。



膝盖红肿鹤膝风,阳陵两穴亦堪攻,阴陵针透尤收敛,红肿全消见异功。



腕中无力痛艰难,握物难移体不安,腕骨一针虽见效,莫将补泻等闲看。



急痛两臂气攻胸,肩井分明穴可攻,此穴原来真气聚,补多泻少应其中。



肩背风气连臂疼,背缝二穴用针明,五枢亦治腰间病,得穴方知疾顿轻。



两肘拘挛筋骨连,艰难动作欠自然,只将曲池针泻动,尺泽兼行见圣传。



肩端红肿痛难当,寒湿相争气血旺,若向肩颙明补泻,管君多灸自安康。



筋急不开手难伸,尺泽从来要认真,头面纵有诸样症,一针合谷效通神。



腹中气块痛难当,大陵外关可消祥,若是肋痛并闭结,支沟奇妙效非常。



脾家之症最可怜,有寒有热两相煎,间使二穴针泻动,热泻寒补病俱痊。



九种心痛及脾痛,上皖穴内用神针,若还脾败中脘补,两针神效免灾侵。



痔漏之疾亦可憎,表里急重最难禁,或痛或痒或下血,二白穴在掌中求。



三焦之气壅上焦,口苦舌干岂易调,针刺关冲出毒血,口生津液病俱消。



手臂红肿连腕痛,液门穴内用针明,更将一穴名中渚,多泻中间疾自轻。



中风之症症非轻,中冲二穴可安宁,先补后泻如无应,再刺人中立便轻。



胆寒心虚病如何?少冲二穴最功多,刺入三分不着灸,金针用后自平和。



时行疟疾最难禁,穴法由来未申明,若把后溪穴寻得,多加艾火即时轻。



牙痛阵阵苦相煎,穴在二间要得传,若患翻胃并呕吐,中魁奇穴莫教偏。



乳鹅之症少人医,必用金针疾始除,如若少商出血后,即时安稳免灾危。




如今瘾疹疾多般,好手医人治亦难,天井二穴多着灸,纵生瘰疬灸皆安。



寒痰咳嗽更兼风,列缺二穴最可攻,先把太渊一穴泻,多加艾火即收功。



痴呆之症不堪亲,不识尊卑枉骂人,神门独治痴呆病,转手骨开得穴真。



连日虚烦面赤妆,心中惊悸亦难当,若寻通里穴寻得,一用金针体便康。



风眩目烂最堪怜,泪出汪汪不可言,大小骨空皆妙穴,多加艾火疾自痊。


(この大小骨空について針灸奇穴辞典では"眼瞼化膿で涙が断えず流れて苦しい者に、大・小骨空はまことに著効をみるツボである"と訳がありまして、眩暈についての記載がないんですね。
風眩という文字を見ると眩暈を想像してしまうのですが、风眩目烂最堪怜で風により視界が悪いこと意味しているのでしょうか)



妇人吹乳痛难消,吐血风痰稠似胶,少泽穴内明补泻,应时神效气能调。



满身发热痛为虚,盗汗淋淋渐损躯,须得百劳椎骨穴,金针一刺疾俱除。



忽然咳嗽腰背痛,身柱由来灸便轻,至阳亦治黄疸病,先补后泻效分明。



肾败腰虚小便频,夜间起止苦劳神,命门若得金针助,肾俞艾灸起邅迍。



九般痔漏最伤人,必刺承山效若神,更有长强一穴是,呻吟大痛穴为真。



伤风不解嗽频频,久不医时劳便成,咳嗽需针肺俞穴,痰多宜向丰隆寻。



膏肓二穴治病强,此穴原来难度量,斯穴禁针多着灸,二十一壮亦无妨。


腠理不密咳嗽频,鼻流清涕气昏沉,须知喷嚏风门穴,咳嗽亦加艾火灸。



胆寒尤是怕惊心,遗精白浊实难禁,夜梦鬼交心俞治,白环俞沾一般针。



肝家血少目昏花,宜补肝俞力便知,更加三里频泻动,还光益血自无差。



脾家之症有多般,致成翻胃吐食难,黄疸亦须寻腕骨,金针必定夺中脘。



大便闭结不能通,照海分明在足中,更把支沟来泻动,方知秒穴有神功。



小腹胀满气攻心,内庭二穴要先针,两足有水临泣泻,无水方能病不侵。


七般疝气取大敦,穴法由来指侧间,诸经俱载三毛处,不遇师传隔万山。



传尸劳病最难医,涌泉出血免灾危,痰多须向丰隆泻,气喘丹田亦可施。



浑身疼痛疾非常,不定穴中细申祥,有筋有骨须浅刺,灼艾临时要度量。



劳宫穴在掌中寻,满手生疮痛不禁,心胸之病大陵泻,气攻胸腹一般针。



哮喘之症最难当,夜间不睡气遑遑,天突秒穴宜寻得,膻中着灸便安康。



鸠尾独治五般痫,此穴须当仔细观,若然着灸宜七壮,多则伤人针宜难。




气喘急急不可眠,何当日夜苦忧煎,若得璇玑针泻动,更得气海自安然。



肾强疝气发甚频,气上攻心似死人,关元兼刺大敦穴,此法亲传始得真。



水病之疾最难熬,腹满虚胀不肯消,先灸水分并水道,后针三里及阴交。



肾气冲心得几时,须用金针疾自除,若得关元并带脉,四海谁不仰明医。


赤白妇人带下难,之因虚败不能安,中极补多宜泻少,灼艾还需着意看。



吼喘之症嗽痰多,若用金针疾自和,俞府乳根一样刺,气喘风痰渐渐磨。



伤寒过经犹未解,须上期门穴上针,忽然气喘攻胸膈,三里泻多须用心。



脾泻之症别无他,天枢二穴刺休差,此是五脏脾虚症,艾火多添病不加。



口臭之疾最可憎,劳心只为苦多情,大陵穴内人中泻,心得清凉气自平。



穴法深浅在指中,治病须臾显妙功,劝君要治诸般疾,何不当初记玉龙。

漫才から考える鍼灸施術

漫才に於ける『つかみ』そしてその『つかみ』の早さ。


これはM-1グランプリ2017最終決戦にて、華丸大吉がとろサーモンに1票を投じる理由になった程に大事なものであります。



それほどまでに重要な『つかみ』という行為。
これを鍼灸施術に応用する《鍼灸=漫才論》を今回はお伝えしていきたいと思います。



漫才での『つかみ』の目的は

・今からどんな漫才をするのか、どちらがボケツッコミなのかを教える。
・ネタのメインとなる部分への前フリ。

そして、一番の目的は

・芸人とお客さんとしての関係性を作る。

だと考えます。


これを鍼灸施術に例えると

・今からどんな施術を行うのかを見せる。
・その後のメインの施術に対してスムーズに移行する為。

そして鍼灸に於いても一番の大切な部分は

鍼灸師と患者さんとしての関係性を作る。

となります。



具体的に私の施術例をあげると…


まず患者さんに対し、必要な問診とインフォームドコンセントを済ませたら(これが既に『つかみ』になっている場合もありますが)

主訴と関係なかったとしても、まず外関に浅刺して肩や腰を動かしてもらいます。


これによって

・基本的に浅刺であること。
・鍼を刺した後は自動、他動を含めて患者さんを動かすこと。
・そのために鍼が刺さった状態で身体を動かすことの不安を除く。

ということを伝えます。


そして一番の目的である鍼灸師と患者さんとしての関係性。


どんなに素敵な口コミをもらっていても、初診の患者さんにとって私はどこの馬の骨か分からない鍼灸師です。


鍼灸が初めての患者さんであれば《私=鍼を刺す奴》という認識であることが多いですが、これを《私=鍼を刺して身体を変化させる奴》にすることが何より重要だと考えています。



あわよくば患者さんにとって《鍼を刺してなんか身体を良くしてくれる奴》という存在になれれば、暴論ですが何をやろうがウケます。


鍼が浅かろうが深かろうが、少なかろうが多かろうが、刺そうが刺すまいが関係ありません。



今のテレビで言うと千鳥のポジションです。

わしゃ千鳥になりてぇんじゃ。



…とは書きましたが、つかみの変化は小さくても良いです。
なんなら変化がなくても大丈夫。


患者さんに「なるほど、鍼でこういう変化が起こるのね(変化を期待しているのね)」ということを植え付けるだけでも意味があると思います。


そして1回で変わらなかったとしても、試行錯誤しながら患者さんのツボを探っていけば良いのではないでしょうか。



どんな些細なキッカケも見逃さない。

ずん飯尾さんになりたい。



そして施術に入る前の、いわゆる宣伝も私の解釈では『つかみ』として使われていると考えます。



丁寧に作られた綺麗なホームページは患者さんに届きやすいでしょうし、私のことが書かれている!と思わせたらバッチリです。


延べ何万人を施術しました!という文句は技術を裏打ちするものと一般の方であれば思うでしょう。


売上自慢は学生、初学者には憧れでしょうし。


顔やら身体に鍼を沢山刺した写真をネット上に上げるのは、鍼をたくさん刺すべしという考えの方々には有効なんでしょう。



ネットで信者を作りたい。

でもキングコング西野には絶対なりたくない。



どんな方法をとるのも施術者の好みとセンスですが『つかみ』はその後のネタの良し悪しすらひっくり返す可能性があるものだと思いますので、なるべく施術の早い段階で患者さんを『つかむ』ことが重要です。



もちろんその後のネタで絶対笑いをとれる!絶対に症状をとれる!と自信があれば、敢えて『つかみ』を引っ張るという手法もアリです。



とにかくルールを守った上で、個人の思想、人間性でもって笑いをとったもの勝ちじゃないのか?と思っているので、本人が漫才だと言えば漫才だろうと。
(批判する自由はあるけれども)


施術者側が鍼灸だと言えば鍼灸だろうと。
(批判する自由はあるけれども)



なによりマヂカルラブリーの漫才は面白かった!
優勝おめでとう!


私は東京ホテイソンがイチ押しでした。
結果は10位だけれども個人的には一番面白かった!

なんならランジャタイが一番笑った!
キュウのオチも良かったし、金属バットもコウテイも豪腕だった!

タイムキーパーは2年目と思えないくらい良くできたネタだったし、ゆにばーすも面白かった!



もう全部優勝!!!

千金十一穴歌追記

先月のブログにて千金十一穴歌について調べ、千金十一穴歌というタイトルなのに10穴しか記載がないという発見があったのですが、その後調べていく内に新たな事実が分かってきました!



ヒントの無い状態から考えた時、まず"千金"という名前から孫思邈の千金要方が浮かんできます。



老師からのご意見もいただきました。



という訳で千金要方が読みたいのですが母校の図書館が閉館中であり、ダメもとでGoogle先生に尋ねてみます。


f:id:nadama:20201121213454j:plain


Googleplayブックスに余裕でありました。


しかも全部で800円ほど!
これらを購入してとにかく探しまくります。

総ページ数4287ページ…これらを1つ1つ虱潰しに探す必要はありません。



なぜならGoogleplayブックスだから!

playブックス最高!
Google先生最高!!!



『十一』『十一穴』で検索をかけます。


すると、どうでしょう!

f:id:nadama:20201121213920p:plain

ない!!!

期待してるのはない!

f:id:nadama:20201117215358p:plain

千金宝要に関しては全くなし。



半ば諦めかけましたが、私の微かな記憶に前回調べている中で類経に千金十一穴の記載があると見たような気がするのです。


ただもう一度そのページを確認したいのに見つからない…膨大な情報がありすぎるGoogle先生の唯一のデメリットです。



仕方ないので類経にヒントがあることを期待して探します。
もちろんGoogle先生、playブックス様で購入。


f:id:nadama:20201121212728j:plain


なんと!

この中の類経図翼に千金十一穴の記載がありました!

f:id:nadama:20201117215126p:plain


そして下記が前回のブログで使った、鍼灸大全に記載されている(らしい)千金十一穴歌です。

比べてみましょう。


三裏内庭穴,肚腹中妙訣。
曲池與合谷,頭面病可徹。
腰背痛相連,委中崑崙穴。
胸項如有痛,後溪並列缺。
環跳與陽陵,膝前兼腋脅。
可補即留久,當瀉即疏泄。

三百六十名,十一千金穴。



お分かりいただけますでしょうか…


最後の一文が!

"三百六十名,千金十一穴""百而三百六,不離十一訣"で違っています。
(細かいことをいうと補法の記載もちょっとだけ違います)



そうすると、これはどちらが正しいのでしょう…?


鍼灸大全が書かれたのは1439年、類経図翼が書かれたのが1624年らしいので、ネットのものが両方とも原文と同じならば200年の間で書き換わったのか?


ですが前回の拾ってきたものが間違っているだけかも知れないし、このplayブックスの類経が正しいものであると確証はありません。


そもそも鍼灸大全に載っているものがオリジナルなのか、もっと古い出典があるのかも分かりませんが間違いなく言えることは…



"百而三百六,不離十一訣"の方がカッコいい!



では"不離十一訣"はどういう意味なのか?
中国語を読むのは面倒ですが5文字くらいなら頑張って調べてみます。


不離:切り離せないこと。
:戦術、秘訣。


なるほど…


:10,十,第10,10番めの。
は完全な,十分な。非常に多くの。

という意味もあるようですがここでは数を表しているでしょう。


そして『一』がまあ沢山の意味があって整理してコピペするもの大変なので、興味ある方は各自調べてください。


以上の意味をなんとなくつなぎ合わせると…


360ある経穴のなかで、切り離すことのできない、10の経穴の、秘訣の1つである。



みたいな意味なのではないかと考えます。



ところで今回のブログはなるべく分かりやすく書けないものかと、鍼灸知識0の妻でも理解できるように説明しながら書きました。


一応大筋を理解してくれた妻が「こういうことやろ?挿絵に使ってええで」と作ってくれたものです。


f:id:nadama:20201122100938j:plain


まあ概ね合ってるけど…なんかなあ…

一応使うけど…



では最後に、確信を得るためにGoogle先生に翻訳してもらいましょう。



f:id:nadama:20201121230615p:plain


11なんかーい!!!

なにが11 No torikkuか!!!



Google翻訳は役立たずなので、Weblioを使いましょう!


f:id:nadama:20201122105224p:plain



f:id:nadama:20201122121115p:plain

いや、11から離れろ!!!

僕の千金十一穴歌

千金十一穴歌をご存知でしょうか?
私は先日初めて知りました。


こんないい名前の歌賦なのに見逃していたとはお恥ずかしい限りです。



千金十一穴…

選び抜かれた十一穴という感じがしてカッコいいですね。



まず鍼灸大全に書かれているとされる原文です。


三裏内庭穴,肚腹中妙訣。

曲池與合谷,頭面病可徹。

腰背痛相連,委中崑崙穴。

胸項如有痛,後溪並列缺。

環跳與陽陵,膝前兼腋脅。

可補即留久,當瀉即疏泄。

三百六十名,十一千金穴。



なるほど、分からん。



中国語はさっぱりですが、なんとなく読んでいきます。



三裏内庭穴,肚腹中妙訣。


三里と内庭がお腹の疾患に妙に効く。

引用したサイトは"三裏"となっていましたが、類経附翼に記載されている千金十一穴歌は"三里"と書かれているので誤表記でしょうか。

理だったら澤田健イズムがあって良かったんですが。


曲池與合谷,頭面病可徹。


曲池と合谷は頭と顔の病に。

普通のことしか言ってない。



腰背痛相連,委中崑崙穴。


腰と背中の連なる痛みに委中と崑崙。

これも分かる。



胸項如有痛,後溪並列缺。


こはちょっと気になります。

他は同一経絡の中で2穴が選ばれているのに、これだけ後溪と列缺…
そして胸と頚の痛みに対して使うと。

肺の是動病にはありますが、肺経で胸の痛みっていうのはあんまりないイメージです。



環跳與陽陵,膝前兼腋脅。


環跳と陽陵泉は膝前と脇を脅かす。

分かると言えば分かるけど、膝の外側ではなくて前なんですね。



可補即留久,當瀉即疏泄。


補なら留めて瀉は漏らす?



三百六十名,十一千金穴。


360穴ある中での11の千金穴…?



ということかな、と読んでみましたが…





11穴なくない!?



①三里…②内庭…③曲池…④合谷…⑤委中…⑥崑崙…⑦後溪…⑧列缺…⑨環跳…⑩陽陵…


10穴…


縦読みとか斜め読みすると隠れ経穴が現れるみたいなことでもなさそうです。



調べてみると百度百科には


千金十一穴歌 ,针灸歌诀名。见《针灸大全》。内容列举十个常用效穴,较《天星十二穴歌》少承山、太冲、通里,而多一后溪。全文为:“三里、内庭穴,肚腹中妙诀;曲池与合谷,头面病可彻;腰背痛相连,委中、昆仑穴;胸项如有痛,后溪并列缺;环跳与阳陵,膝前兼腋胁。可补即留久,当泻即疏泄。三百六十名,十一千金穴。”



"内容列举十个常用效穴"とあるので10穴で間違いなさそう。


ここに書かれているように天星十二穴歌に似ていますが、どの時代に作られたものなのでしょうか。


鍼灸大全の記載が初出だとすると千金十一穴の方が100年ほど後に作られていることになりますが、中身的には天星十二穴歌より古そうに思っていましたがどうでしょう。



そして最後の"十一千金穴"は"十一、千金穴"ではなく"十、一千金穴"と読むということ?



どういう意味…?
ここの部分、中国語読める方は是非教えてください。



これ以上は手詰まりなので、仮に千金11穴だとして『最後の1つは君が決めよう!君だけのオリジナル千金11穴を作ろう!』という意味を込めて千金11穴となったと言う説をでっち上げていきたいと思います。



さて、この中に1穴足すとしたら何がよいでしょうか?



個人的に治療として考えるなら足の陰経か腹部、下腹部を入れたいところですが、他の経穴を見るにほとんど陽経を使っています。(寧ろ列缺が邪魔)



1穴だけ選ぶとすれば、やはり任督脈から選ぶのがお洒落な気がします。


そして他の経穴と併せて陽寄りにするなら督脈ではないかと。



督脈から選ぶとすると…


私自身が澤田流の為どうしても補腎をしたくなってしまうので、命門か…

至陽はこれといった理由はないんですが、上下の境の感じがして好きなんですよね…

はたまた手足三陽の交会とされている大椎がいいのではないかと…



うーーーーーーーん…



大椎に決めた!



ついでに列缺が1人だけ陰経で邪魔なので外関を入れましょう。



何故なら外関が好きだから。



外関は思いっきり橈側に寄せれば列缺みたいなもんですしね。



以上のことから、私の千金十一穴歌はこんな感じになりました。



三裏内庭穴,肚腹中妙訣。

曲池與合谷,頭面病可徹。

腰背痛相連,委中崑崙穴。

肩項如有痛,後溪並外関。

環跳與陽陵,膝前兼腋脅。

通一身陽気、○○○大椎。

可補即留久,當瀉即疏泄。

三百六十名,十一千金穴。



大椎の前の文句が良いのが思いつきませんが、なかなか良い気がします!



そうしたらこれを古い和紙に書き写してどこかの蔵の隅っこに隠し、数百年後に価値のある鍼灸歌賦として勘違いされる日を心待ちにしたいと思います。

ハリトラーメン

私がかねてより提唱している《鍼灸=ラーメン論》というものがありまして…


鍼灸とラーメンというのは中国から渡ってきて日本独自の発展をしたという点で、ほぼ同じものと言っても過言ではありません。


店主、院長が頑固そうだったり腕組みしてたり、根拠なく自分が1番だと思っていたり、意義の分からないオリジナル技を考え出してみたり、ラーメン職人と鍼灸師の共通点を挙げだしたらキリがありません。


上記以外にも根拠はありますが、とにかく鍼灸とラーメンは同じもの。
ラーメン業界を紐解くことで鍼灸業界のことが分かるんです。



そして今回は伝統鍼灸の未来を、今一番面白いラーメン漫画『ラーメン再遊記』をテキストにしながら考えていきたいと思います。


(この記事における伝統鍼灸とは、柳谷素霊から始まった日本の鍼灸の各流派のこととさせて下さい)



まず知らない方の為に『らーめん再遊記』について説明させていただくと、『ラーメン発見伝』『らーめん才遊記』から続く、美味しんぼ的ラーメン漫画の3作目であり、主人公はかの有名なラーメンハゲこと芹沢達也。


f:id:nadama:20200924203728j:plain


主人公の芹沢達也についても念のために説明すると…


前々作『ラーメン発見伝』では主人公、藤本浩平のライバルとして、前作『らーめん才遊記』では主人公、汐見ゆとりの師匠として活躍し、彼の人気のお陰で今作まで続いている言っても過言ではありません。


f:id:nadama:20200924203802p:plain


ラーメンを大衆料理、B級グルメから脱却させるために数々の創作ラーメンを生み出し、自身の店だけでなくプロデュースを手掛けた店も繁盛させ、保守的で懐古主義な中華そば原理主義者たちを黙らせてきました。


f:id:nadama:20200921205758p:plain


作品中ではこういう輩はラーメンが好きと言いながらラーメンの進化を邪魔する者と描かれています。


そして《何の枠にも囚われない自由な創作麺料理》こそがラーメンの主流となり、その立役者であった彼はニューウェーブのカリスマ、天才的なラーメンコンサルタントとなりました。



そんな彼が今作『らーめん再遊記』では若手の台頭によりラーメンに対する情熱を失ってしまいました。



その若手とは芹沢をオールドウェーブ呼ばわりする男、米倉。


彼は自然養鶏の比内地鶏を使ったスープに、厳選した醤油、小麦を使い細部にまで拘り、高級フレンチに匹敵する新時代の料理を目指した「普通のラーメン」で日本のラーメン界で初めてムシュロン2つ星を獲得した、新世代系のエース。


f:id:nadama:20200922165007p:plain


芹沢はニューウェーブ系としてラーメンをB級グルメから脱却させるために尽力しましたが、世界的グルメガイドであるムシュロンに選ばれたのは自分よりも下の世代の米倉だったということが、芹沢の情熱が失われた要因でもあります。



ニューウェーブ系vs新世代系の構図から始まり、芹沢は如何にしてラーメンへの情熱を取り戻していくのか!?というところから話が始まります。



ラーメンの補足もしておきます。



ニューウェーブ系ラーメンというものは、ラーメンの進化を邪魔する保守的で懐古主義な中華そば原理主義者、昭和の中華そばへのアンチテーゼとして生まれました。


・脱B級グルメの本物志向 
・創作ラーメンの重視
・こだわりの食材や調理法のアピール
・小綺麗で洒落た店作り


これらを売りに、それまでラーメンファンでなかった層を取り込みながらブームを拡大し、ラーメンを固有の文化へとなるよう上のステージへ押し上げました。



そして対する新世代系はニューウェーブが作り上げた流れの上で、昭和の中華そばの良いところは吸収し更にブラッシュアップし、ハイブリッド醤油ラーメンと言われるような本物志向のラーメンを作り上げました。



この昭和の中華そばに対しての考えがムシュロンに認められるか否かで芹沢と米倉、ニューウェーブ系と新世代系の明暗が分かれました。


芹沢(ニューウェーブ系)はアンチ昭和の中華そばであり、B級グルメに甘んじる前の世代への反発心からそれまでにない新しい味を生み出してきました。


それだけに昭和の中華そばを古臭い悪しきものとして考え、ブラッシュアップすることができなかった。



米倉(新世代系)はニューウェーブ系から影響を受けるものの昭和の中華そばに対しての反発心は無く、良いところは全て取り入れる姿勢。


そして昭和の中華そばのフレームを使い、ニューウェーブ系の方法論によって全てを本物へと昇華させることができました。



というのが作中での構図ですが、これは現実のラーメン業界でも似たような流れがあるそうです。



そしてこれを鍼灸業界に当てはめて考えてみると…


現在、ニューウェーブ系を担ってくれているのは美容鍼灸ではないかと。



美容鍼灸が伝統鍼灸のアンチテーゼから始まった訳ではないと思いますが、美容という視点での集客、鍼灸院らしからぬサロン的な内装であったり、既存の鍼灸院とは関係を持たなかった層を取り込んでくれています。


それだけで鍼灸が文化として完全に根付くかというと難しいと感じますが、あと一押し二押しがあれば…そうなってくれるのではと期待しております。



この美容鍼灸ブームが本当に本当にうまくいって、ラーメンが中華料理の1つからラーメンという確立された料理になったように、鍼灸が医療として、美容として1つの選択肢になれば良い思います…



と、そうなった上でですよ!



新世代系ラーメンのように美容鍼灸の良い部分を吸収し、かつ伝統鍼灸を取り入れブラッシュアップした新世代系鍼灸院が現れると!


そしてロートルになった洒落臭い美容鍼灸どもを蹴散らせて伝統鍼灸が第一線を奪う!!!



そこで初めて代替医療でもなく、美容の一部でもなく、鍼灸鍼灸として確立された立場ができるのではないかと。



ラーメン業界を鑑みて今後の鍼灸業界でこういった流れが起こることは間違いないでしょう!



なので伝統鍼灸の業界のシェア低かろうが、崩壊の危機にあろうが大丈夫です!!!


今は美容鍼灸に任せて需要を広げてもらいましょう。
そして伝統鍼灸は腕を研くなり、後進を育てるなり来るべき日に備えてください。



頑張れ美容鍼灸

負けるな伝統鍼灸





そしたら美容鍼灸もしないし、伝統鍼灸でもない私はどうしたら良いのか分からないので、とりあえず天下一品食べてきますね。

f:id:nadama:20200925000100j:plain

外関の歴代名家応用

外関という経穴が好きなのでよく使います。(298日ぶり4度目)



今回は『要穴八十一』という本に記載される外関の歴代名家応用を抜粋しつつ、愚考していきたいと思います。


黄帝内経

・病実則肘攣、虚則不收。


霊枢の経脈編に
手少陽之別,名曰外関。去腕二寸,外繞臂,注胸中,合心主。病實則肘攣,虛則不收。取之所別也。
の記載がありますね。
外関の位置からしたら、そら腕には効くだろうと。


《甲乙経》皇甫謐、282年

・肘中濯濯、臂内廉不化及頭。
・耳焞焞渾渾無所聞、外関主之。
・外関、会宗主耳焞焞渾渾無所聞。
・外関、内庭、三里、大泉、商丘、主噼、噤


渾渾焞焞は医学百科に解説があり

病狀名。形容聽覺失聰,反應遲鈍之癥。多由濕濁上蒙,肝膽實火或腎氣虛所致。《素問·至真要大論》:“心痛耳鳴,渾渾焞焞。”《靈樞·經脈》:“是動則病耳聾渾渾焞焞。”  

と書かれています。


黄帝内経には渾渾焞焞とあるのが、甲乙経はなぜ焞焞渾渾になっているのか?

今回はこの渾渾焞焞に注目していきたいと思います。(原典はどうなってるんでしょうか?)


《外台秘要》王燾、752年

・主肘中濯濯、臂内廉不化及頭、耳焞焞渾渾聾無所門聞、主噼、噤。


外台秘要も焞焞渾渾派のようです。


《医心方》丹波康頼、984年

・主肘中濯濯、耳焞焞、臂内廉痛、口噼、噤。


もはや焞焞のみ!
当時の日本には渾渾が伝わらなかったのか。


《銅人経》王惟一、1026年

・治肘臂不得屈伸、手五指盡不能握物、耳聾無所聞。


一旦落ち着きましょう。
とにかく外関は聾に効くようです。


玉龍経》王国瑞、1329年

治傷寒自汗盗汗、発熱悪風、百節酸疼、胸滿拘急、中風不遂、腰脚拘攣、手足頑麻冷痛、偏正頭風、眼中冷痛、冷涙、耳聾、眼風。


玉龍経の記載はいいですね、渾渾も焞焞言わないし。
個人的には外関に過分の期待を寄せているのでこれくらい効いてほしいところです。


鍼灸聚英》高武、1529年

主耳聾焞焞渾渾無聞、手五指盡不能握物、実則肘攣瀉之、虚則不収補之。


また焞焞渾渾きちゃった…


鍼灸大成》楊継州、1601年

主耳聾渾渾焞焞無聞、手五指盡不能握物、実則肘攣瀉之、虚則不収補之、又治手足不得屈伸。


とうとうきました!渾渾焞焞!

黄帝内経以来1600年以上ぶり。
前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前前世から待ってた。


《鍼方六集》呉崑、1618年

主耳聾焞焞渾渾、目翳、頬痛嗌腫、耳後痛、脅肋肘臂腫痛、無名指不用、五指盡痛不能握物、傷寒無汗、寒熱往来。


鍼灸大成以降は渾渾焞焞派が盛り返すかと思いきや、焞焞渾渾派の強さ健在。


気になるのが鍼方六集は傷寒の無汗なんですね。
玉龍経では傷寒自汗盗汗と書かれていましたが、どちらもいけるのでしょう!

三焦としての働きなのかも知れないし、もしくは他の経絡を介しての反応なのかと考えが広がりますが、とにかく効くのでしょう!!!


なぜなら外関だから!!!!!


《類経図翼》張介賓、1624年

・主治耳聾渾焞無聞、肘臂五指痛不能握、若脅肋痛者瀉之。
・外関主治臓腑熱、肘臂脅肋五指疼、瘰癧結核連胸頸、吐衄不止妄行。


渾焞派も現れてどうしたらいいのか。

類経は臓腑熱が書かれているのが良いですね。張介賓は腑としての三焦を意識していたのではないかしら?と想いを馳せます。


鍼灸学簡編》中医研究院、1959年

主治前臂及肘部不得屈伸、手五指盡痛不能握物、上肢筋骨疼痛、瘰癧、耳聾、聾唖、衄血、牙痛、痄腮、胸脇痛、感冒、発熱、頭痛、咳嗽、暑病、腸癱、霍乱(非真性霍乱)、急驚風、高血圧、小児麻痺後遺症等。配足臨泣治手、足少陽経所経過部位興其所屬絡之臓腑的病証、配大椎、曲池、合谷治感冒発熱、配肩髃、曲池、手三里、合谷治上肢癱痪。


なんでしょう…

近代になると中国の思惑で効果をモリモリに盛っているのでは?と勘繰ってしまいます。

玉龍経は許せるのに鍼灸学簡編は許せない不思議。


鍼灸学》孫國傑主編、1997年

主治頭痛、耳聾耳鳴、肘臂不能伸屈、手指痛不能握、手顫、熱病、瘰癧、腹痛便秘。


鍼灸学簡編はやり過ぎ感ありましたが、こちらは更に時代が近いし現実的で面白さを感じない不思議。



以上が歴代名家応用の抜粋ですが、上記以外にも現代臨床研究として、外関をぎっくり腰、帯状疱疹、偏癱、失眠に使用した臨床研究も記載されているのでオススメです。

google playブックスにて購入できます!


アフィリエイトとかよく分からないので、もしお役に立ちましたら私とご縁があった際に小銭でもぶつけて下さい。

あなたの大敦はどこですか?

先日、赤羽氏法の本をとりあげ大敦の位置が真ん中すぎではないか?というツイートを見まして、今回はこれを取り上げていきたいと思います。



f:id:nadama:20200725164338j:plain



・大敦の位置について。


大敦は教科書的には足第1指の爪甲根部外側に取ると教わりますが、赤羽氏法では足第1指の爪甲根部中央としています。


中央の大敦がどれくらい一般的なのかわかりませんが、今回は霊枢本輸篇から大敦の位置を考えていきたいと思います。


"肝出于大敦.大敦者.足大指之端.及三毛之中也.爲井木."


こちらが霊枢本輸篇の抜粋ですが"大敦者.足大指之端."とあります。


端?


端だけだと外側なのか?中央なのかハッキリしないので、足大指の内側にあるはずの脾経の隱白を見ます?


"脾出于隱白.隱白者.足大指之端内側也.爲井木."


隱白は内側。
これは現代で習う教科書通りです。



まとめて他の井穴も確認していきます。


"肺出於少商.少商者.手大指端内側也.爲井木."

"心出於中衝.中衝.手中指之端也.爲井木."


心が心包経の経絡になってます。


"腎出于湧泉.湧泉者.足心也.爲井木."



次は陽経。


"膀胱出于至陰.至陰者.足小指之端也.爲井金."

"膽出于竅陰.竅陰者.足小指次指之端也.爲井金."

"胃出于厲兌.厲兌者.足大指内.次指之端也.爲井金."

"三焦者.上合手少陽.出于關衝.關衝者.手小指次指之端也.爲井金."

"手太陽小腸者.上合手太陽.出于少澤.少澤.小指之端也.爲井金."

"大腸.上合手陽明.出于商陽.商陽.大指次指之端也.爲井金."


十一経絡を抜粋してみて分かることは内側の場合は(肺経、脾経)"内側也."とつくこと。


それ以外の爪の外側にとるは各指の端也と書かれています。



ならば大敦も足大指の外側でよいのではないか?と思いますが、大敦だけ"及三毛之中也."という一文が付いているのです。


これが何を指すのか!?


足の親指には皆さん毛が生えていることかと思います。
これが三毛ならば、この中に大敦をとるべきなのか?


もしくはその中でも端の方として赤羽氏法で使う中央の大敦になったのか?



f:id:nadama:20200725220215j:plain



皆さんもお好きな大敦を取っていただけたらと思います。



ただ改めて端とはどこか?と考えてみて、従来の井穴の位置である爪甲根部は本当に端でしょうか…?


指の一番端といったらここではないでしょうか?



f:id:nadama:20200725220231j:plain



ここには毛が生えないと誰が決めたのでしょう。

信じれば毛は生えます!必ず!

古代中国人はここにも毛が生えていたかも知れません。



試しに三毛を生やしてみます。



f:id:nadama:20200725220246j:plain



ほら!


違和感ないですよね!?



寧ろ不思議と馴染みがある…?



f:id:nadama:20200725221659j:plain


f:id:nadama:20200725220436j:plain



Qちゃん!!!!!!!!!



もしかして…


大敦はQちゃんの百会…肝経は百会に交会する…Qちゃんが唯一変身できるのは靴…



だから…………………







なに…?





・本輸篇に記載される三焦経について。


他の経絡は全て井穴から合穴(胃経は下合穴も)までの説明が書かれているのですが、三焦経だけ例外で以下の文が続きます。


"三焦下腧.在于足大指之前.少陽之後.出于膕中外廉.名曰委陽.是太陽絡也.手少陽經也.
三焦者.足少陽太陰之所將.太陽之別也.上踝五寸.別入貫腨腸.出于委陽.並太陽之正.入絡膀胱.約下焦.實則閉癃.虚則遺溺.遺溺則補之.閉癃則寫之."



この三焦下腧をどう解釈するのか?

そして続く"在于足大指之前."


足大指の前…とは?



f:id:nadama:20200725221250j:plain



P子…?



とにかくこれが
少陽経の後ろ、ふくらはぎの外を通って、委陽へ。太陽経を絡う、手少陽経也。


下肢を通るけれども『手』の少陽経であると記載されていて、下合穴の説明が続きます。



愚考ですが、先ほどの抜粋の終わりに"入絡膀胱.約下焦.實則閉癃.虚則遺溺.遺溺則補之.閉癃則寫之."


とあるので

臓腑の生理機能を考えた時に、三焦経の経穴を使って泌尿器系の疾患が治らないと困るので下肢にも三焦経を(下合穴を)もってきたのではないかと。



古典は人それぞれの解釈があってこそ古典であるかと思っていますので、これをどう呼んでも、オリジナルの名前を付けても自由だと思います。


ただ他人の解釈を否定するのも否定する輩も嫌なので、各々が自分の考えた最強の経絡、経穴を自由に発表し認め合える平和な世界が訪れることを願っております。