漫才から考える鍼灸施術
漫才に於ける『つかみ』そしてその『つかみ』の早さ。
これはM-1グランプリ2017最終決戦にて、華丸大吉がとろサーモンに1票を投じる理由になった程に大事なものであります。
それほどまでに重要な『つかみ』という行為。
これを鍼灸施術に応用する《鍼灸=漫才論》を今回はお伝えしていきたいと思います。
漫才での『つかみ』の目的は
・今からどんな漫才をするのか、どちらがボケツッコミなのかを教える。
・ネタのメインとなる部分への前フリ。
そして、一番の目的は
・芸人とお客さんとしての関係性を作る。
だと考えます。
これを鍼灸施術に例えると
・今からどんな施術を行うのかを見せる。
・その後のメインの施術に対してスムーズに移行する為。
そして鍼灸に於いても一番の大切な部分は
・鍼灸師と患者さんとしての関係性を作る。
となります。
具体的に私の施術例をあげると…
まず患者さんに対し、必要な問診とインフォームドコンセントを済ませたら(これが既に『つかみ』になっている場合もありますが)
主訴と関係なかったとしても、まず外関に浅刺して肩や腰を動かしてもらいます。
これによって
・基本的に浅刺であること。
・鍼を刺した後は自動、他動を含めて患者さんを動かすこと。
・そのために鍼が刺さった状態で身体を動かすことの不安を除く。
ということを伝えます。
そして一番の目的である鍼灸師と患者さんとしての関係性。
どんなに素敵な口コミをもらっていても、初診の患者さんにとって私はどこの馬の骨か分からない鍼灸師です。
鍼灸が初めての患者さんであれば《私=鍼を刺す奴》という認識であることが多いですが、これを《私=鍼を刺して身体を変化させる奴》にすることが何より重要だと考えています。
あわよくば患者さんにとって《鍼を刺してなんか身体を良くしてくれる奴》という存在になれれば、暴論ですが何をやろうがウケます。
鍼が浅かろうが深かろうが、少なかろうが多かろうが、刺そうが刺すまいが関係ありません。
今のテレビで言うと千鳥のポジションです。
わしゃ千鳥になりてぇんじゃ。
…とは書きましたが、つかみの変化は小さくても良いです。
なんなら変化がなくても大丈夫。
患者さんに「なるほど、鍼でこういう変化が起こるのね(変化を期待しているのね)」ということを植え付けるだけでも意味があると思います。
そして1回で変わらなかったとしても、試行錯誤しながら患者さんのツボを探っていけば良いのではないでしょうか。
どんな些細なキッカケも見逃さない。
ずん飯尾さんになりたい。
そして施術に入る前の、いわゆる宣伝も私の解釈では『つかみ』として使われていると考えます。
丁寧に作られた綺麗なホームページは患者さんに届きやすいでしょうし、私のことが書かれている!と思わせたらバッチリです。
延べ何万人を施術しました!という文句は技術を裏打ちするものと一般の方であれば思うでしょう。
売上自慢は学生、初学者には憧れでしょうし。
顔やら身体に鍼を沢山刺した写真をネット上に上げるのは、鍼をたくさん刺すべしという考えの方々には有効なんでしょう。
ネットで信者を作りたい。
でもキングコング西野には絶対なりたくない。
どんな方法をとるのも施術者の好みとセンスですが『つかみ』はその後のネタの良し悪しすらひっくり返す可能性があるものだと思いますので、なるべく施術の早い段階で患者さんを『つかむ』ことが重要です。
もちろんその後のネタで絶対笑いをとれる!絶対に症状をとれる!と自信があれば、敢えて『つかみ』を引っ張るという手法もアリです。
とにかくルールを守った上で、個人の思想、人間性でもって笑いをとったもの勝ちじゃないのか?と思っているので、本人が漫才だと言えば漫才だろうと。
(批判する自由はあるけれども)
施術者側が鍼灸だと言えば鍼灸だろうと。
(批判する自由はあるけれども)
なによりマヂカルラブリーの漫才は面白かった!
優勝おめでとう!
私は東京ホテイソンがイチ押しでした。
結果は10位だけれども個人的には一番面白かった!
なんならランジャタイが一番笑った!
キュウのオチも良かったし、金属バットもコウテイも豪腕だった!
タイムキーパーは2年目と思えないくらい良くできたネタだったし、ゆにばーすも面白かった!
もう全部優勝!!!