千金十一穴歌追記
先月のブログにて千金十一穴歌について調べ、千金十一穴歌というタイトルなのに10穴しか記載がないという発見があったのですが、その後調べていく内に新たな事実が分かってきました!
ヒントの無い状態から考えた時、まず"千金"という名前から孫思邈の千金要方が浮かんできます。
気付かなかったんですね😂
— Oku.. (@meteoric12) 2020年10月31日
明代の書物なので、
11番目の経穴が書かれた木簡が抜けてるとかもなさそうですし、
そもそもそれまでに書かれている疾患部位は、腹、頭面、腰背、胸首、膝脇でほぼ網羅されてますよね🤔
ならば、千金十一穴の“千金”は、孫思邈先生の千金方をフィーチャーしていると考えると…
老師からのご意見もいただきました。
という訳で千金要方が読みたいのですが母校の図書館が閉館中であり、ダメもとでGoogle先生に尋ねてみます。
Googleplayブックスに余裕でありました。
しかも全部で800円ほど!
これらを購入してとにかく探しまくります。
総ページ数4287ページ…これらを1つ1つ虱潰しに探す必要はありません。
なぜならGoogleplayブックスだから!
playブックス最高!
Google先生最高!!!
『十一』『十一穴』で検索をかけます。
すると、どうでしょう!
ない!!!
期待してるのはない!
千金宝要に関しては全くなし。
半ば諦めかけましたが、私の微かな記憶に前回調べている中で類経に千金十一穴の記載があると見たような気がするのです。
ただもう一度そのページを確認したいのに見つからない…膨大な情報がありすぎるGoogle先生の唯一のデメリットです。
仕方ないので類経にヒントがあることを期待して探します。
もちろんGoogle先生、playブックス様で購入。
なんと!
この中の類経図翼に千金十一穴の記載がありました!
そして下記が前回のブログで使った、鍼灸大全に記載されている(らしい)千金十一穴歌です。
比べてみましょう。
三裏内庭穴,肚腹中妙訣。
曲池與合谷,頭面病可徹。
腰背痛相連,委中崑崙穴。
胸項如有痛,後溪並列缺。
環跳與陽陵,膝前兼腋脅。
可補即留久,當瀉即疏泄。
三百六十名,十一千金穴。
お分かりいただけますでしょうか…
最後の一文が!
"三百六十名,千金十一穴"と"百而三百六,不離十一訣"で違っています。
(細かいことをいうと補法の記載もちょっとだけ違います)
そうすると、これはどちらが正しいのでしょう…?
鍼灸大全が書かれたのは1439年、類経図翼が書かれたのが1624年らしいので、ネットのものが両方とも原文と同じならば200年の間で書き換わったのか?
ですが前回の拾ってきたものが間違っているだけかも知れないし、このplayブックスの類経が正しいものであると確証はありません。
そもそも鍼灸大全に載っているものがオリジナルなのか、もっと古い出典があるのかも分かりませんが間違いなく言えることは…
"百而三百六,不離十一訣"の方がカッコいい!
では"不離十一訣"はどういう意味なのか?
中国語を読むのは面倒ですが5文字くらいなら頑張って調べてみます。
不離:切り離せないこと。
訣:戦術、秘訣。
なるほど…
十:10,十,第10,10番めの。
十は完全な,十分な。非常に多くの。
という意味もあるようですがここでは数を表しているでしょう。
そして『一』がまあ沢山の意味があって整理してコピペするもの大変なので、興味ある方は各自調べてください。
以上の意味をなんとなくつなぎ合わせると…
360ある経穴のなかで、切り離すことのできない、10の経穴の、秘訣の1つである。
みたいな意味なのではないかと考えます。
ところで今回のブログはなるべく分かりやすく書けないものかと、鍼灸知識0の妻でも理解できるように説明しながら書きました。
一応大筋を理解してくれた妻が「こういうことやろ?挿絵に使ってええで」と作ってくれたものです。
まあ概ね合ってるけど…なんかなあ…
一応使うけど…
では最後に、確信を得るためにGoogle先生に翻訳してもらいましょう。
11なんかーい!!!
なにが11 No torikkuか!!!
Google翻訳は役立たずなので、Weblioを使いましょう!
いや、11から離れろ!!!