言妄

Twitterで皆さんが楽しそうに議論されているのを眺めていて、鍼灸師の方からツッコミくらうとは思ってもいなかったので大変反省しております。



調子にのって配穴を書いてしまいましたが、他の鍼灸師が見たら「なんやこいつ」となるようなものなので、マイノリティな鍼灸師の意見として読んでいただけたら幸いです。



お尻がヒリヒリするのか→原因も分からないしとりあえず孔最→背中触りたいし魄戸もいこう→肺経触ったら一応腎経も触ろうか、築賓かな→照海でもいいか。


くらいの思考回路なのでキチンとした理由はないですが、いくつか言い訳を考えました。



ご質問いただいた「なぜ直接大腸経でなく肺経なのか」については…



完全に好みです。


一応大腸経を使わない個人的な言い訳としては、


脈灸経においては歯脈とされていたこと。
穴性を見ても、古典では便秘に効果があるとされているのは三間、合谷くらいしかないこと。
から、大腸経を大腸の問題で使うことはないです。



身体全体の問題として熱処理の為に大腸経を使い、その時に愁訴として便秘があれば間接的に効果ありとなるかも知れませんが、大腸の問題=大腸経とは考えていないです。



だからと言って古典云々ということを言い出すと、孔最も頭痛、吐血への効果は書かれていますが、痔疾に効くとは書かれていないし、肺経が大腸に効くような記載はないので、完全に好みです。



もう1つの「なぜ肺兪ではなく魄戸なのか」


については「整体でいう二側(肺兪)は運動器系、三側(魄戸)は内臓系」というのは聞きかじっていたので、少しそちらに寄せさせてもらったことが1つ。


あとは難経に七衝門として、肛門を魄門と呼んでいるので同じ字だ!と思っての魄戸です。小学生みたいな理由です。



ですが、これも本来は『下極為魄門』と書かれているので『魄』を陰的な意味合いで使ってるだけかも知れません。



あとは私はその場で反応を診て決めることがほとんどなので大体その辺に手がいけば良い程度に考えています。



なので実際このケースの患者さんの魄戸周囲を触って、もし肺兪の位置に反応があっても私の中では魄戸!と思って使います。
膏肓くらいでも余裕で魄戸にする漢です。



腎経の取穴は、築賓に関しては先の議論で出ていた解毒を意識して(澤田流では築賓に解毒の効果があるとされているので)


これも場合によっては承山くらいまで触って反応あるところをとって築賓と言い出すかもしれません。
膀胱経別が肛門にいくので、承山でも理屈は通りますが。



照海は澤田流なので隙あらば使います。
少しだけ奇経を意識しながら築賓と選んで使います。



あとは治療のなかで「下からの排泄を促す」というイメージはあまりないです。


今回のお尻がヒリヒリするというケースであれば、なんらかの理由でどこかの陽が勝っているのでそのバランスが取れれば良いのではないか?と考えます。



言い訳おまけ

『精気の虚がなければ』という書き方をしてしまいましたが、正しくは『五臓の虚が判断できなければ』だったかと思います。
改めて配穴を見て恥ずかしくなりました。



実際は脈状やら腹で全く違う配穴になると思います。

脾虚であれば照海を公孫に変えたり、瘀血があれば会陽と適当なところで低周波をかけたり、精気の虚がなければ承山だけを瀉したり、机上の空論ですが楽しいですね。



誤字など書き直せるようにブログに書きましたので、ツッコミがあれば追記します。